2022年9月28日水曜日

コンソメ スープの素による添加物比較 


固形・顆粒、コンソメベースの詳細です。


肉と野菜を煮込んで作られる琥珀色の外来スープ、コンソメ。

現在では日本の食卓にしっかりと馴染み、お菓子の味つけにも多用される人気のフレーバーです。

そのコンソメを保存性よく商品化したコンソメベースは、チキンスープを始めグラタン・ピラフなど、多様な用途に応える万能調味料です。

しかしスープの素には主要となる旨味成分に加えて、様々な物質が添加されています。

その辺りも踏まえ、代表的なコンソメ商品を比較しました。



チキンコンソメ クノール


2022/09
Knorr

パッケージのコメント
煮出した鶏肉のコクとうま味がたっぷり

スケルトンの容器に真空パックされています





日本における代表的なスープメーカーのクノール、フリーズドライ商品に関しては圧倒的な知名度を誇ります。

このクノールはドイツ発のブランドとなり現在はユニリーバが所有、日本では味の素がライセンス生産とやや複雑な事情が垣間見れます。

このチキンコンソメは1個で2人分(合計300ml)とし、5個に分けられたキューブタイプとなります。

個別包装がなされているのですが、第一段階の真空パックを破けば真空効果は消えてしまうので、開封後は早目の消費が推薦されます。


スープの色味はやや薄めにも感じられるアンバーカラーですが、色味イコール味の濃さとは限りません。

原材料にはカラメル色素が使われているので、添加物の量を考えると色味が薄い事は良い方向性とも言えます。

決して濃いめの味わいではないのですが、野菜の旨味が感じられる上品な味と感じます。


内容量

35.5g(7.1g x 5個)
1人150mlで10人分(1個2人分)

購入価格

税込149円

栄養成分 1個(7.1g)当たり

エネルギー(22kcal)、たんぱく質(0.97g)、脂質(0.59g)、炭水化物(3.1g)、食塩相当量(2.4g)

原材料

乳糖(カナダ製造又はアメリカ製造)、食塩、鶏肉、酵母エキス調味料、食用加工油脂、チキンエキス、チキンファット、たまねぎ、粉末しょうゆ、酵母エキス、香辛料/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉を含む)


コンソメ顆粒 セブンプレミアム


2022/09
7プレミアム


ウェブサイトより
チキンのうま味、ビーフのコク、香辛料の風味をバランスよく仕上げた、小袋タイプのコンソメです。量の調節しやすい顆粒タイプで、1袋ずつ密封包装されているので、風味の良いコンソメをお使いいただけます。スープはもちろん、溶けやすいので、炒めものや料理の下味付けなど、いろいろなお料理に幅広くお使いいただけます。



2人分300ml



セブンプレミアム製のコンソメは、時短料理には便利なお湯に溶けやすい顆粒タイプとなります。

1袋で2人分、合計300mlはクノールと同じですが、包装は個別のパックとなるので保存性ではリードしています。

1箱で合計40人分とコスパでも高い性能を発揮しています。

カラメル色素の使われたスープは濃いめの色味を発し、味付けでも塩見が目立つ仕立てに感じられます。

料理は見た目も大事となる為、濃い色付けが希望の場合には良いかと思います。

後述しますが、原材料では添加物の種類が多く使われているので、気になる所ではあります。

製造は、だし製品を扱う株式会社シマヤ。


内容量

90g(4.5g x 20袋)
1人150mlで40人分(1袋2人分)

購入価格

税込183円

栄養成分 1袋(4.5g)当たり

エネルギー(9kcal)、たんぱく質(0.5g)、脂質(0.1g)、炭水化物(1.5g)、糖質(1.44g)、食物繊維(0.03)、食塩相当量(2.5g)

原材料

食塩(国内製造)、乳糖、チキンブイヨン粉末、ビーフオイル、粉末醤油、酵母エキス、ビーフエキス粉末、香辛料、でん粉/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に乳成分・小麦・牛肉・大豆・鶏肉を含む)


コンソメ 味の素


2022/09
AJINOMOTO


ウェブサイトより
じっくり煮込んだお肉と香味野菜のコクがギュッと詰まった洋風スープの素です。お好みの肉や野菜と一緒に煮るだけで、いつものスープや煮込み料理などが、一層おいしくなります。

外箱の中にはアルミ袋で入っています。

予想外にも個別包装されていました。

アルミ袋を折り曲げて保存




クノールと同様にキューブ型を採用した、味の素製のコンソメ。

アルミ製の包装を開けると、予想外に個別包装されたキューブが出てきました。

個別包装は密封型ではないので、残った分はアルミ包装を折り曲げて保管するスタイルとなります。

1個で2人分合計300mlの量はクノール・セブンと同様となり使い勝手は変わりません。

色味はクノール・セブンの中間くらいの濃さです。

味付けはでは原材料にビーフエキスが使われており、セブンと近い味わいと感じます

この中では唯一、カラメル色素が入っていない商品となります。


内容量

37.1g(5.3g x 7個)
1人150mlで14人分(1個2人分)

購入価格

税込145円

栄養成分 1個(5.3g)当たり

エネルギー(12kcal)、たんぱく質(0.38g)、脂質(0.24g)、炭水化物(2.2g)、食塩相当量(2.5g)

原材料

食塩(国内製造)、乳糖、砂糖、食用加工油脂、野菜・肉エキス(はくさいエキス、チキンエキス、酵母エキス発酵調味料、ビーフエキス、食用油脂)、香辛料、野菜エキス、しょうゆ、果糖、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、酸味料、(一部に小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉を含む)



食品添加物



食品に使われている添加物は原材料の欄に記載されているのですが、通常の材料とは分けられているので確認はしやすくなっています。

表示方法にはいくつかのパターンがあります。

・原材料とは別で表示
・スラッシュで区切る
・改行して分ける

通常の原料と同じく、重量割合の高いものからの表示となります。

以下の項目がそれぞれの原材料から添加物を抜き出したものです。

クノール チキンコンソメ
・調味料(アミノ酸等)
・カラメル色素
・酸味料

セブン コンソメ顆粒
・調味料(アミノ酸等)
・カラメル色素
・酸味料
・香辛料抽出物
・酸化防止剤(ビタミンE)

味の素 コンソメ
・調味料(アミノ酸等)
・加工でん粉
・酸味料

共通項目
調味料(アミノ酸等)と酸味料に関しては全ての商品で使用されています。

添加物の種類ではセブンが1番多い5種、クノール・味の素は3種となります。


添加物に関しては、使われる重量・種類が少ない事にこしたことはないと思いますが、その種類により安全性の優劣が決められるものではありません。

例えばカラメル色素と加工でん粉はどちらが危険性が高いか?という事ではなく、同じ成分を多く摂り続ける事を避けるという観点で考えたいです。

コンソメスープに該当している添加物の詳細を、以下の項目にまとめましたのでご覧ください。


調味料(アミノ酸等)



調味料の核とも言える旨味成分のアミノ酸。

タンパク質を構成するアミノ酸には20種類ありグルタミン酸やアスパラギン酸などが有名です。

主に海藻・魚介・発酵食品などに含まれ、スナック菓子などにも幅広く使われる添加物です。

旨味の元とも言える成分なので、スープの素には欠かせない添加物とも言えます。

以前は化学調味料と呼ばれていましたが、現在ではうま味調味料という名称に変わりました。

代表的な製品としては”味の素”があります。

AJINOMOTOでは天然原料を用いて発酵法により、グルタミン酸ナトリウムという成分を取り出しています。

問題となる部分は、グルタミン酸ナトリウムの過剰摂取とその原料に遺伝子組み換え技術が使われている所となります。

AJINOMOTOでは遺伝子組換え作物について以下のような考えを示しています。
GMO(遺伝子組換え作物)
遺伝子組換え技術は、農作物に害虫耐性を付与して使用農薬を低減するなど、食料問題や環境問題の解決に大きな役割が期待される重要な技術です。使用と表示については、国ごとの法律により異なりますので、味の素グループは、各国の法律に従っています。


カラメル色素



カラメル色素は醤油ラーメン・カレー・お菓子と幅広い食品に使われている添加物なので、1度は耳にした事があるかと思います。

比較的知名度が高い故に、物議を醸し出している添加物とも言えます。

カラメルは砂糖を加熱して茶色く変色させたもので、色味付や風味付けとして用いられます。

カラメル色素はⅠ〜Ⅳ型に分類されます。

カラメルⅠ
食用の糖類を熱処理する事で得られます。

カラメルⅡ
カラメルⅠ + 亜硫酸化合物

カラメルⅢ
カラメルⅠ + アンモニウム化合物

カラメルⅣ
カラメルⅠ + 亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物

Ⅰ型が元となり、加えられる成分によりⅡ〜Ⅳ型に分かれます。

安全性はⅠ型が高いのですが原材料に型の表示義務はなく、どれが使われているのかはわかりません。

アンモニウム化合物については発ガン性が懸念されています。



酸味料



酸味の調整や保存性(pH調整)の目的で使用される酸味料には様々な種類があります。

フルーツなどの天然成分から人工的に合成されるものまで多岐にわたりますが、酸味料に関しては一括名で ”酸味料” との表示が可能なので、その詳細を知る事はできません。

添加物の表示は種類により以下に分けられています。
・一括名で表示可(例:調味料、香料、酸味料)
・ 用途名併記が必要(例:保存料(ソルビン酸))
・表示免除(最終的に残らない添加物や量が少ない)

酸味料の代表的な成分ではクエン酸・L-酒石酸・乳酸などがありますが、パッケージからの成分特定は不可能と言えます。



香辛料抽出物



一般的には香料と表現される成分。

スパイスなどから水やアルコールで抽出し、風味付けに使用します。

この香辛料抽出物も上述の酸味料と同様に、一括名での表示が可能な成分となります。

使われる原料には、コショウ・ウコン・唐辛子・ニンニク・ペパーミントなど100種に迫る数があり、こちらも成分の特定は困難ですが強い風味が特徴となります。



酸化防止剤(ビタミンE)



油脂類の酸化を防ぐ目的で添加される酸化防止剤。

ビタミンEを含む酸化防止剤としてはトコフェロールがあげられます。

植物から精製される他、化学合成から作られるdl-α-トコフェロールも存在します。

老化防止や血管の健康に寄与するビタミンEですが、1日の摂取上限は、30~49歳の900mg/日がMAXとなっています。



加工でん粉



増粘剤・安定剤としての用途として使われる、加工でん粉。

主に粘度をつける事を目的とし、スナック菓子などにも使われる添加物です。

文字通りにデンプンの分子構造を変化・加工処理がなされたものが ”加工でん粉” と表記されます。

加工でん粉には(アセチル化アジピン酸架橋デンプン)など11種類あるのですが、簡略名として ”加工でん粉” との表記が可能となっています。

平成19年食品安全委員会の見解は以下となります。
評価の対象となった11種類の加工デンプンが添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられ、一日摂取許容量を特定する必要はない。

懸念材料としては、原料となるコーンスターチ(トウモロコシから作られるデンプン)があげられます。

遺伝子組み換え技術が使われたトウモロコシが使用されていると言われるのですが、原材料表示のでの義務はなく判断する事はできません。



まとめ



食品添加物は食品衛生法により、使用量などのルールが定められており、そのリスクが担保されています。

しかし健康面を考えると長期間の摂取による影響が心配となるので、偏った食事を続けて同じ成分を過剰に摂取してしまう事は避けたいです。

自己防衛という意味でも添加物の内容を知る事は大事なので、原材料の欄には興味をもって注目したい所ではあります。

健康や楽しみに深く関わってくる食事は、生活にとって大変大きなファクターと言えます。

”食事はバランスが大切” をモットーとし、幅広い視野で食生活を楽しんでいきたいです。